☆先日行われた東京都産業労働局主催の「ポジティブメンタルヘルスシンポジウム」
を聴講させていただきました。
◆まず前半で北居教授による基調講演が行われ、 後半はパネリストの方によるパネルディスカッションが行われました。
・全体のほんの一部ではありますが、簡単に内容を記載させていただきます。 (理解できていない部分、勘違いしている部分があると思われます。)
◇基調講演:「健康でいきいきと働ける職場づくりに向けて:組織開発を考える」 ◇甲南大学経営学部 北居 明 教授
<一次予防(未然防止)の重要性> ■メンタルヘルスは、問題が起きてから対応するだけでは、 発症者を減らすことはできません。 ■職場復帰をしても、しばしば再発が繰り返されてしまいます。 ■結果として周囲への負担が増大し、職場全体の労働意欲が低下し、 離職者が続出してしまう結果となってしまっています。
■メンタルヘルスを個人の問題として考えるのではなく、 組織や職場の問題として考え、 未然防止に向けて問題解決を図っていくことが重要となります。
<ポジティブ・メンタルヘルスとは> ■ただし未然防止活動は非常に重要ですが、それだけで満足することなく、 「不調者対策から健康増進へ」「個人から職場・組織へ」を 目指さなければなりません。(予防+α) ■より積極的に一次予防活動(未然防止活動)を行っていこうという考え方が、 ポジティブ・メンタルヘルスという考え方です。
<組織への対応> ■しかし、単に「ストレスが少ない」職場づくりだけでは 生産性向上には結び付きません。 ■これからは、階層別の対策だけでなく、 階層を超えた取り組みが何よりも重要となります。
<これから目指すべき職場の姿> ■上司と部下、あるいはチーム内の信頼関係が高い職場。 ■戦略や計画等を全員が主体的に理解している職場。 ■創意工夫や実行への意欲が高い職場。 ■チームメンバーが相互への貢献を考えている職場。
<組織開発の新・旧 二つの考え方>
⇒この診断型では、犯人捜し(誰が問題か)という議論にすり替わり、 組織を「問題ありの部分」と「問題なしの部分」に分断してしまいます。 この診断型は、関係性を壊す危険をはらんでいるのです。
2.対話型(新) ・問題点に注目するのではなく、「別の考え方もあるよね」と、 新たな行動や思考のオプションに本人が気づくようにする方法。 ⇒強みや可能性を発掘し、 新しい発想の「可能性のある組織」を形成します。
■つまりこれからは、 「問題点を発掘」することを目指すのではなく、 「強みを発見するアプローチ」で組織変革につなげる必要があるのです。
<従来の組織開発> ■従来、組織活性化というと、 「もっと成果を上げるために、何が問題になっているか」 という問題解決型のアプローチが一般的でした。 ■もっぱら阻害要因や問題点にフォーカスが当てられ、 それを解消するさまざまな取り組みと成果に議論の重点が置かれていました。
■しかしそれは、基本的に製品の“品質改善”と同じ発想であり、 組織をまるでモノや機械のようにとらえるアプローチであるともいえます。
<これから目指すべき組織開発> ■これからは、 「成果を上げるために、何が問題となっているか?」と問うのではなく、 「成果を上げるために、私たちが持っている力や強みは何か?」 と考えていかなければなりません。
■問題をなくすこと、つぶすことを組織改革の目的とするのではなく、 問題を「もっとほしいものは何か?」「一年後、私たちはどうなりたいか?」 といった視点でとらえ直します。
■このようなポジティブな問いかけによって、 顕在化していない力や強みを見出し、 それらの真価を認め、ほしいものを獲得していく。 組織の理想像やあるべきビジョンを実現していく。 それが目指すべき姿なのです。
<そのためには、何よりも「問い」が命となります。> (例) ・今までの質問 :離職率が高いのはなぜか? ・これからの質問:従業員にとって、 「最高に魅力を感じる働き甲斐のある職場を作るには?」 「磁石のように従業員を引き付ける職場を作るには?」
⇒パネルディスカッションでは、 このような取組やその他様々な工夫をされておられる会社様の 事例発表がございました。
以上、ほんの一部となりますが、 シンポジウムの内容を記載させていただきました。 |