☆先日、精神・発達障害者しごとサポーター養成講座(東京労働局・職業対策課主催)
を受講させていただきました。
☆精神・発達障害者しごとサポーターとは、専門知識を持った「支援者」ということではなく、 精神障害、発達障害のある同僚を温かく見守る「応援者」のことを指します。
☆「応援者」が増えることにより、 職場の雰囲気や人間関係が良くなることを期待するのがこの制度の目的です。
<以下に、養成講座テキスト・レジュメの一部を抜粋して転載させていただきます。>
◆はじめにより 近年、障害者の就職への意識の高まりとともに、 企業における障害者雇用の取り組みが進む中、 精神障害及び発達障害のある労働者も増加しています。
しかしながら、精神・発達障害者の職場定着は必ずしも順調ではありません。 職場定着に至らない要因は一人ひとり様々ですが、 障害があってもその特性を踏まえ、希望や能力、適性に応じて活躍できることが 普通の社会を目指し、そして障害者とともに働くことが当たり前の社会を目指して いく必要があります。
職場でこれを実現するため、精神・発達障害者の同僚である皆さまに、 精神・発達障害についての正しい知識と理解を持っていただき、 精神・発達障害者の方々を温かく見守り、 「応援者」=「精神・発達障害者しごとサポーター」 となっていただけるようにすることが本養成講座の目的です。
◆「精神障害」とは? ■テキストには記載されておりますが、今回は省略させていただきます。
◆「発達障害」とは? ■発達障害は生まれながらの脳機能の「特性」です。 ■障害の特性や程度、必要な配慮は一人ひとり異なります。 ■「突然なる」ことはありませんが、「大人になってから気づく」ことはあります。
※特性・程度・苦手なことなどは一人ひとり異なります。 したがって、以下はあくまで特徴例を記載させていただくものです。
※また個人差が大きいことから、対応の仕方を決定するにあたり、 本人を良く知る専門家や家族にサポートのコツを聞くことが必要となります。
〇自閉症スペクトラム障害(自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害) (あくまで特性の例を記載したもので、お一人おひとり特性・程度等は異なります。) ■場面や立場を考慮した発言や応対が苦手。 ■暗黙のルールなど明文化されていないことが対応しにくい。 ■相手の表情や態度が掴みにくい。 ■一度に複数の指示をされると混乱しやすい。 ■抽象的な支持が理解しにくい。 ■急な変更が苦手 など ⇒これらの特性は必ずしもマイナス面ばかりではなく、 いったんルールとして認識したものはきちんと守ろうとする姿勢、 独特な知覚や認知から他の人にない発想を生み出すこともあります。
◇また感覚過敏がある場合は、音や肌触り、室温など感覚面の調整などが 必要となる場合があります。
〇学習障害(LD,限局性学習障害) (あくまで特性の例を記載したもので、お一人おひとり特性・程度等は異なります。) ■「話す」「理解」は普通にできるが、 ■「読む」「書く」「計算する」ことが努力しても極端に苦手。 ◇特異な部分を積極的に活用して、情報理解や表現をできるようにする。 ◇苦手な部分については、課題の量・質を適切に加減する。
〇注意欠陥・多動性障害(ADHD) (あくまで特性の例を記載したもので、お一人おひとり特性・程度等は異なります。) ■ケアレスミスが多い、忘れやすい、整理整頓や課題の順序立てが苦手。 ■周囲よりもエネルギッシュに様々なことに取り組む。 ◇短く、はっきりとした言い方で伝える。 ◇気の散りにくい座席の工夫、わかりやすいルールの提示などに配慮。 ◇ストレスケア。傷つき体験への寄り添いが必要。
〇その他の発達障害 (あくまで特性の例を記載したもので、お一人おひとり特性・程度等は異なります。) ■体の動かし方の不器用さ、我慢していても声が出たり身体が動いてしまう(チック)。 ■一般的に吃音と言われるような話し方なども発達障害に含まれる。 ◇叱ったり、拒否的な態度を取ったり、笑ったり、ひやかしたりしない。 ◇日常的な行動の一つとして受け止め、楽に過ごせる方法を一緒に考える。
◆障害者の病気との付き合い方は? 〇治る可能性のある疾患もあるが、多くの疾患は継続的な通院と服薬が必要。 〇特に「発達障害」に関しては、「治る」ではなく「適応する」が適切か? 〇主治医の指示に従うのが基本。 〇許容範囲を超えた過剰なストレスや疲労の蓄積は悪化のリスクがある。 (残業、ノルマ、業績目標、複雑な人間関係等)
◆どのような仕事が適していますか? 〇障害の状況については個人差があり一人ひとり違う。 〇特性はさまざま。 →個々の特性に応じた対応が必要。 ■集中力が持続しにくい ■ストレスを感じやすい ■精神的負荷を感じやすい ■心身ともに疲労しやすい ■社会性や認知機能の低下の可能性 など
◆精神・発達障害者にどのように接したら良いでしょうか? 〇接し方の基本 ■接し方のポイント等を踏まえた上で、一般的な同僚と同じように接して、 気になることが生じた場合、うまく行かない場合は、 職場内の管理・指導担当者等に相談しましょう。
(対応記載例の一部抜粋) 1.▲▲さん、いつも一人で食事しているけど、声をかけた方が良いかな・・・。 →「もしよかったら」という前提で声をかけ、 本人の主体性を尊重するようにしましょう。 独りで過ごす方がリフレッシュできる人もいます。
2.休憩時間とはいえ、スマホの音量が大きすぎるな・・・。 →職場のルールに違反していたり、周囲の人も迷惑そうであれば、 威圧的にならないよう声掛けしましょう。 叱責・苦情ではなく、ルールや迷惑に感じていることを説明しましょう。
3.部署内で歓送迎会(飲み会)があるけど、▲▲さんを誘ってもいいかな・・・。 →他の同僚と同様に声がけしましょう! 最初から声をかけないという判断はせず、 「参加は強制ではない」前提で本人の主体性を尊重してください。
◆ともに働く仲間として 〇障害者雇用は、人事・採用担当者や現場担当者だけではなく、職場全体で取り組むもの!
〇そこで、ともに働く仲間として「精神・発達障害者しごとサポーター」が 一緒に働く仲間として応援します!
〇本人も周囲もお互いに慣れてきたら、個々の特性に応じて、 柔軟で自然な関係作りをしていきましょう!
〇そして時間をかけてじっくり知っていくことで、 誰もが安心して働ける職場をみんなで作っていきましょう!
<おわりに> ◆障害のある同僚を「守る」のではなく、「見守る」 !!
☆誰もが安心して働ける職場づくりをめざして みなさま一人ひとりの思いやりと見守りの 心を大切に・・・
※以上、精神・発達障害者しごとサポーター養成講座テキストの 一部を抜粋して転載させていただきました。 |