□編集部+すみれ さん
【本に答えがあるかもしれない】
先日とある番組で
「健康寿命を延ばすには運動よりも食事よりも読書が大事」
というAIの解析結果が紹介されていました。
本が長生きの秘訣になるなんて。
「うつ」を患った時、本に助けられたという女性に
その体験を寄せてもらいました。(編集部)
【本は無言で助けてくれた】(すみれさん)
(「ですます調」に替えさせていただいております。)
念願の編集者としてクリエイティブ系の会社に
就職し、新社会人をスタートさせました。
とてもやりがいを感じていましたが、
しかし気がつけば自分には背負いきれない量の
仕事が常に目の前にありました。
ミスを指摘されたことをメモする。
週に一度の部署会議で「私のミスを読み上げるタイム」
がありました。
読み上げられたミスはもう二度と犯してはいけない。
そして二度目を犯したときに、私はいつからか、
「ミスをなぜしたか」に対していろんな理屈を並べて
上司に言い訳をするようになりました。
今思うと、素直に謝り、気をつければいいだけの話なのですが。
そんな風に「良い仕事をする」よりも
「いかに怒られないように行動する」自分が大嫌いで仕方が
ありませんでした。
緊張すればするほど同じミスをして、
もはやミスを犯したら死ぬしかないと思うほどに神経が敏感に
なっていました。
半年ほどで同期入社社員が次々辞めていき、
積み残した仕事を在職者で処理する日が続き、
ぶつけどころのないイライラがどんどん募っていきました。
その年の12月に同い年の電通の女性が労働環境が原因で
自殺されたというニュースを見て、涙が止まらなくなりました。
ニュースで報道されていた
「自分が全部悪いので、つぐなうために死ぬしかない」
といった思考回路が、
当時の私にぴったり一致していたのです。
その時はもうこの仕事の苦しみから逃げるには死ぬしかない、
といったように、私の人生のオプションは常に二択で、
必ず一つは「死ぬしかない」でした。
そんな状態が続いた後、休職、退職、転職をしました。
いまでも時々悲しい気持ちになるものの、
その休職~転職の期間に、死ぬという選択肢の代わりに、
「本を読む」という選択肢が私の中で生まれました。
本と生身の人間を比べたとき、
無言の本は、生身の人間よりも、
私たちに「考える余裕」を与えてくれます。
本が述べている考え方に納得いかなければ、本は閉じればいい。
でも会話している生身の相手に対して
「帰る、話を聞かない」という行為は簡単ではありません。
相手の考えを受け入れられないときに、その理由を探ることは、
自分の価値観を育む練習にもなるんじゃないかと思います。
「本」ならば、それが自分のペースでできる。
そして、本でそれをすることは著者との対話でもあり、
自分との対話でもあるのです。
私が「うつ病」診断を受けていた期間、私はかなりの本を読みました。
その中で平成に出版された本を以下に中心に紹介いたします。
(投稿文章にはそれぞれの本の概要やおススメ内容が書かれて
おりますが、ここではスペースの都合上省略させていただきます)
1.『村上さんのところ』(村上春樹さん著)
2.『蘇る変態』(星野源さん著)
3.『うつヌケ』(田中圭一さん著)
4.『毒になる親』(スーザン・フォワードさん著)
5.『健康半分』(赤瀬川原平さん著)
6.『うつと不安の認知療法』
(デニス グリーンバーガー、クリスティーン・A・パデスキーさん共著)
7.『こころの処方箋』(河合隼雄さん著)
☆活字を読むことができない時期もあると思いますが、
活字が読める状態になられた際に、少しでも
「本」がより改善するための一助になればと思い、
今回紹介させていただきました。
☆次のブログで「うつと心の本 20年史」の一部
を紹介させていただきます。 |