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【年度更新】労働保険の「年度更新」ってなに!

 

 

☆今年も、労働保険(労災保険と雇用保険を指します)の「年度更新」の時期(6月1日~7月10日)

 が近づいてまいりました。

 

☆そもそも「労働保険の年度更新」とは何でしょうか?

 

 

  ◆今回は「労働保険の年度更新」について簡単に説明させていただきます。

 

 

【労働保険制度】

  1.  ①そもそも「労働保険」とは何でしょうか?
  2.  
  3.    ■労働保険とは、「労働者災害補償保険」と「雇用保険」を総称した呼び方です。
  4.    ■労働保険の「保険の給付(支払い)手続き」は、両保険制度で別個に行われますが、
  5.    ■「保険料の納付(いわゆる掛け金の支払いのこと)」については、原則、
  6.      「一体のものとして」、労災保険と雇用保険の保険料をまとめて取り扱われます。

 

   ■労働者(パート、アルバイトも含む)を一人でも雇用していれば、

    業種・規模の如何を問わず、労働保険の適用事業(加入義務発生)となり、

    事業主(会社)は、加入手続きを行い、毎年、労働保険料を納付しなければなりません。

    (ただし、農業・林業・水産業の一部は除きます。)

 

 

  1.  ②労働保険の保険関係について(ちょっとわかりにくいですが・・・)
  2.   <一元(いちげん)適用事業>
  3.    ■労災保険と雇用保険を「一体として」手続きする事業のことを言います。
  4.     建設業などを除くほとんどの会社はこちらに該当いたします。

  <二元(にげん)適用事業>

  1.     ■主に建設の事業などが該当いたします。
  2.     (その他の事業もありますが今回は省略いたします。)
  3.   
  4.   

【労働保険の年度更新と保険料申告書の作成】

  1.  ⑴  では、労働保険の「年度更新」とは何でしょうか?
  2.    ■労働保険(労災保険と雇用保険)の保険料の申告手続きは、
  3.     「一年に一回」、事業主(会社)が、自ら労働基準監督署に申告を行う仕組みとなっております。

 

  1.    ■毎年繰り返すこの労働保険料の申告手続きのことを、「労働保険の年度更新」と呼びます。
  2.    ■年度とは、4月1日~3月31日です。(これを保険年度と呼びます。) 
  1.  
  2.    ■申告を行う時期は、会社の決算期に関わらず、すべての対象企業が
  3.     毎年6月1日~7月10日の間に申告を行わなければなりません。
  4.  
  5.  ⑵実際の申告手続きとは?
  6.    ①まず、前年度の賃金総額に基づいて、「前年度」の保険料を確定させます。
  1.  
  2.    ②同時に、その「確定した前年度の保険料の金額」と、

    前年度に支払った「概算保険料(見込みで支払った保険料)」

    との差額を算出します。

    (「払い過ぎ」のことも「不足」していることのこともあります。)

 

  1.    ③さらに、上記と同じ前年度の賃金総額を用いて(例外もありますが)、
  2.     今年度の「概算」の保険料を算出します。

 

  1.    ④そして、前年度の差額(確定保険料―概算保険料)と、
  2.     今年度の概算保険料(見込み額)の合計金額が、
  3.     今年度に支払う必要のある労働保険料となります。
  4.  
  5.   

    ■上記の内容を「労働保険 概算・増加概算・確定申告保険料申告書」という用紙に記載して

    労働基準監督署に申告します。

 

   ■そして上記申告を行ったうえで、

     上記用紙の下段の「領収済通知書」を使用して銀行等で振り込みを行います。

    (口座振替制度もあります。)

 

       ⇓

 

  ◇なお、「延納(分割払い)」が可能となる場合の初回の支払保険料は、

    ・概算保険料(見込み額)を分割回数で割った金額の初回保険料額に

    ・確定保険料の差額(プラス・マイナス)を加減し、

    ・それに「一般拠出金」の金額を加算した額となります。

      ⇒これが「初回の支払保険料」となります。

 

 

 

 ⑶一般拠出金って何でしょうか?

   ■「一般拠出金」とは、「石綿による健康被害の救済に関する法律」により

    石綿(アスベスト)健康被害者(労災補償の対象とならない方)の

    救済費用に充てるために、すべての事業主に負担してもらうものです。

    (建物はすべての企業が使用するということですべての企業が対象となっております。)

 

   ■一般拠出金は業種を問わず、一律「1000分の0.02」です。

   ■労災保険のメリット対象事業場であったとしても、

    一般拠出金率にはメリット料率は適用されません。

   ■賃金総額に1000分の0.02を掛けて、拠出金額を算出いたします。

 

 

 

 ⑷労働保険対象者の範囲

   ■労災保険について(概要だけを記載いたします。)

    ・パート、アルバイト、派遣等、名称や雇用形態に関わらず、

     労働の対償として賃金を受けるすべての者が対象となります。

    ・法人役員の場合、代表権・業務執行権を有する役員は、原則として、

     労災保険の対象となりません。

    ・ただし、法人役員でも、指揮命令を受けて労働に従事している場合等、

     一部「労働者」として取り扱われる場合があります。ご確認ください。

 

 

   ■雇用保険について(概要だけを記載いたします。)

    ・雇用される労働者は、パート、アルバイト、派遣等、名称や雇用形態にかかわらず、

  1.        ①1週間の所定労働時間が20時間以上
  2.        ②31日以上の雇用見込みがある場合、

     原則として被保険者(雇用保険の対象)となります。

     ただし例外がありますのでご確認ください。

 

    ・株式会社の取締役は、原則として被保険者(雇用保険の対象)となりませんが、

     労働者的性格が強いと認められる場合等、雇用保険の被保険者として

     認められる場合もございます。ご確認ください。

 

 

 

 

   ☆なお、建設事業については、二元適用事業の申告方法、一括有期事業の取扱、

    請負金額・労務費率を使用した保険料算定方法など、多くの点で一般企業と異なります。

    今回は省略させていただきますのでご留意ください。

 

 

 

 

       ※以上、簡単ではありますが、労働保険の「年度更新」について

        説明させていただきました。

 

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