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【労基法等】「労働者」と「自営業者」の判断基準

★先日、東京大学社会科学研究所:水町勇一郎教授による労働法学研修(第一回)を受講

 いたしました。

 

 ◇今回の研修内容は、「労働者とは(労働者性)」についてです。

 ◇具体的に(簡単に)言いますと、

   ・その人は「労働者」に該当するの?

   ・それとも「自営業者」に該当するの?

  というものです。

 

 ◇なぜそれが問題になるかと言いますと、

   ・「労働者」に該当すれば、「労災保険」がもらえますが、

   ・「自営業者」に該当すると、「労災保険」がもらえない、

  という違いが出てくるからです。

 

 ◇そのため、たびたび裁判でその「労働者性」が争われております。

  ◇今回の研修の内容は、裁判所が「労働者性」を判断する際の「判断基準」に関するものです。

 

 ◆実際はどのようなケースかと言いますと、

  ・Aさんは、その会社に雇われている「社員」ではありません。

  ・Aさんは「自営業者」として、その会社と業務委託契約を結び、報酬をもらっています。

  ・その業務形態の中で、Aさんが仕事の途中でケガをしました。

   →通常「自営業者」であれば、「労働者」ではないため労災保険の対象にはなりません。

    (労災保険はもらえません)

   →しかしAさんは、

    「実態は社員と同じだったんだから、労災保険をもらえないのはおかしい」

    と主張して訴えるケースです。

   

 

  「労働者」に当たるか、「自営業者」に当たるか、の裁判所の判断基準

  (わかりやすい言葉に置き換えさせていただいております。)

 

      ①その仕事の依頼を断る自由があるか?

  1.     ②会社から指揮監督を受けていたか?
  2.     ③会社から勤務時間・勤務場所を拘束されていたか?
  3.     ④他人によって代替可能だったか?
  4.     ⑤報酬は時間によって決まっていたか?(労務の対償性)
  5.     ⑥機械・器具を誰が負担していたか?
  6.     ⑦他社の業務への従事が制約されているか?

 

  ■上記7つの判断基準について、一つ一つ判断(〇×)し、総合的に最終判断を行う。

  ■労働者性は、契約内容等の「形式」によって判断されるものではなく、

   あくまで「実態」によって判断されるものである。

  という内容でした。

 

 ※実際の講義は、労働基準法に基づく労働者、労働組合法に基づく労働者等、より複雑な内容でしたが、

  今回は内容を簡略化して記載させていただきました。

 

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